http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160512 熊本県を訪れるボランティアは、大型連休が終わったあと大幅に減少してい
て、住民から次々と寄せられる新たな依頼に十分応えられない事態となってい
ます。
熊本県社会福祉協議会によりますと、先月29日から今月8日までの10日間
に熊本県を訪れたボランティアは、1日平均でおよそ2500人に上りまし
た。しかし、連休明けの9日には835人に減るなど連休が終わったあとは大
幅に減っています。
熊本市内では12日も、ボランティアが被災したアパートの部屋の片づけ作業
などを行っていましたが、熊本市でもボランティアが連休期間中の平均に比べ
て半分以下に落ち込んでいるということです。熊本市には、被災した住宅の掃
除や倒れたブロック塀の片づけなど、新たな依頼が次々と寄せられています
が、ボランティアが減少するなか、現在およそ2000件の依頼に応えられて
いないということです。
熊本市社会福祉協議会の中川奈穂子事務局長は「家の片づけなどが残っている
ところがまだまだ多いので、素早い復興のためにも、ぜひボランティアに来て
ほしい」と呼びかけています。
東京で学生ボランティアを募集
熊本地震の被災地で、大型連休のあとボランティアの数が減少するなか、東京
にある学生ボランティアセンターが福岡や仙台から被災地に向かうバスを用意
し、現地でボランティアとして活動する学生の募集を行っています。
東京・港区にある日本財団学生ボランティアセンターは、全国の大学と連携し
ながらボランティア活動を支援しています。熊本地震では余震が続き、現地の
状況が十分把握できていなかったなどとして、学生のボランティアは募集して
いませんでしたが、大型連休のあとボランティアが減少し、全国の大学からも
支援をしたいという学生の声が寄せられたことから学生ボランティアの派遣を
決めました。学生の派遣は今月21日から来月にかけて合わせて4回行われ、
学生たちは土曜日と日曜日に、熊本県益城町で家の片づけなどの支援に当たる
ということです。
ボランティアセンターでは、学生たちを乗せるバスを用意し、4回のうち3回
は、福岡発着で、来月10日に出発する1回は、東日本大震災で被災した学生
たちの要望を受けて仙台を発着するということです。各回定員は30人で、こ
れまでにそれぞれ10人ほどの応募があるということです。
日本財団学生ボランティアセンターの佐藤希美さんは、「地震直後は人命救助
が優先で、学生を送り込むことはなかなか難しかったが、現地も落ち着き学生
たちの力が発揮できるような環境を整えることができた。今後は夏休みを利用
した中長期的な活動を検討していきたい」と話しています。
ボランティアの派遣見合わせた学生たちも
熊本地震から1か月になりますが、首都圏の各大学では安全の確保などの面か
ら大学としての学生ボランティアの派遣の見合わせを続けています。一方で学
生たちの間では熊本の物産展を企画するなど支援を模索する動きが出ています。
一連の熊本地震で首都圏の各大学では余震が続き現地の安全確保が難しいこと
や、距離が遠く交通費の負担が大きいことなどから、東日本大震災などで行っ
てきた大学としての学生ボランティアの派遣を見合わせています。
このうち、法政大学も学生の派遣は当面見合わせていますが、学生たちは熊本
の特産品を集めて物産展を開き売り上げを寄付する支援を検討しています。物
産展では熊本のラーメンや菓子などをそろえるほか、現地の状況を紹介する企
画も考えているということです。法学部3年生の男子学生は「何かしたいと思
うが距離が遠いしすぐに行くのは難しく、東京でできることをしようと考えて
います。物産展では多くの人に熊本の物を買ってもらい被災した人のことを忘
れないでほしいです」と話していました。
法政大学ボランティアセンターの南雲健介さんは「学生たちは授業もあり交通
費などの費用もかかるうえ、現地での安全の確保という面から、大学としてす
ぐにはボランティアに送り出せる状況ではないと考えています。いまは学生た
ちの現地を応援したいという気持ちをサポートしていきたいです」と話してい
ました。
NHK:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160512/k10010518391000.html