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1/3 2007/02/05(月) 22:47:31 ID:uuWi3n130
一週間前の話。
娘を連れて、ドライブに行った。
なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
で、娘を脅かそうと思って舗装されてない脇道に入り込んだ。
娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。
そしたら、急にエンジンが停まってしまった。
山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから
娘と途方に暮れてしまった。飯食ったドライブインも歩いたら何時間かかるか。
で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン行くことにしたんだ。
車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
夜の山って何も音がしないのな。たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで。
で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。
俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。
今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで
「テン(ケン?)・・・ソウ・・・メツ・・・」って何度も繰り返してるんだ。
最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、
音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。
168 2/3 2007/02/05(月) 22:48:10 ID:uuWi3n130
そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。
形は「ウルトラマン」のジャミラみたいな、頭がないシルエットで足は一本に見えた。
そいつが、例えるなら「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら」向かってくる。
めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは
「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。
そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」って音がずっと聞こえてた。
音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして
娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。
近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。
俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。
叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。
俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が
「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」ってぶつぶつ言ってる。
169 3/3 2007/02/05(月) 22:48:49 ID:uuWi3n130
やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。
そしたらかかった。急いで来た道を戻っていった。娘はとなりでまだつぶやいている。
早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。ようやく街の明かりが見えてきて、
ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれたはいれた」から「テン・・ソウ・・メツ・・」に
いつの間にか変わってて、顔も娘の顔じゃないみたいになってた。
家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。
住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。
山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、
と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。
住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
娘は「ヤマノケ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生このまま、正気に戻ることはないらしい。
住職はそうならないように、娘を預かって、何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。
妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。
住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが憑いてしまっただろうと。
ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。
一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。
ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。
早くもとの娘に戻って欲しい。
遊び半分で山には行くな。
172 本当にあった怖い名無し sage 2007/02/05(月) 22:59:10 ID:sN6iWxmE0
>>169
大まかな場所はどの辺?
175 167 2007/02/05(月) 23:07:37 ID:uuWi3n130
>>172
宮城と山形の県境だ。
>>174
俺もネットでその漢字で調べてみたけど「ヤマノカイ」って読みしか出ない。
たぶん意味的には一緒なんだろうが。
190 167 2007/02/06(火) 01:27:22 ID:LtW/CGn10
>>188
今預かってくれてる住職が霊的にどの程度のもんなのかわからんから
それも迷ってる。実家の両親とかはいろいろあたってくれてる。
今のところは住職頼みだ。
>>189
いや、実況してる余裕もあまりないんでな。これで最後にする。
なんで道を外れたのか、今は後悔ばかりしている。その当時の精神状態が
すでにヤマノケに操られてたのかもしれない。なんて都合のいい考えか。
とにかく、遊び半分で山には入るな。彼女、奥さん、娘とかいるなら尚更。
本当にそれだけは言っておきたい。
おれにはちょっと変な趣味があった。
その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。
いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。
遠くに見えるおおきな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。
漏れの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。
その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら
「あ、大きな蛾が飛んでるな?」
なんて思っていたら、坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。
ドアを閉めて、鍵をかけて
「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」
って怯えていたら、ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。明らかに漏れを探してる。
「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」
って心の中でつぶやきながら、声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。
しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、ドアを
ダンダンダンダンダンダン!!
って叩いて、チャイムを
ピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!
と鳴らしてくる。
「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」
って感じで、奴のうめき声も聴こえる。
心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。さらにガクガク震えながら息を潜めていると、数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。
それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。
あいつはいったい何者だったんだ。もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない。
241: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 01:17:13 ID:AorKY0kW0
小4のときの話。
たぶんみんな経験があると思うけれど、小さい頃って「廃屋」があるって聞いただけで冒険心が疼いて仕方ないと思うんだ。
俺自身もあの日は家からそう遠くない場所にまだ探検してない「とんでもない廃屋」があるって聞いて、狂ったように喜んだのを憶えてる。
狂ったようにって書くと大げさだと思われるのは分かってるけど、その日付が問題で、
「夏休み前日」。
ただでさえテンション上がりまくってるときにそんな話題を聞いたから、普段そんなに
親しくない友達まで呼んで、その日のうちに廃屋へ突撃って事になったんだ。
243: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 01:20:00 ID:AorKY0kW0
まさかあの日の事で27歳になった今でも廃屋に近づく事もできない
「廃屋恐怖症」になるなんて、当時の自分に言っても絶対に信じて貰えないと思うよ。
あの日は思ったよりも友人たちが集まるのが遅く、全員(8人くらい)集まったのは空がオレンジ色に染まりだした頃。
廃屋に案内してくれる友達を先頭に、俺、そのほかの友達といった具合に、お互いのリュックを引っ張り合って
兵隊アリみたいにゾロゾロ並んで目的地に向かったんだ。キャッキャ言いながらそんなに遠くない廃屋へついたのは良かったんだけど、
思ってたのとはどうも違う。
244: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 01:22:31 ID:AorKY0kW0
なんと言えばいいのか、俺が求めていた廃屋は「一階からから二階まで天井は腐りきり、幽霊は常備しております!」
みたいな、いかにも何か出そうな雰囲気の場所だったんだ。
でも実際は、場所は住宅街にある森の中、家のデザインも四角形(ちょうどスネ夫の家みたいな)、
ぱっと見た感じ小奇麗で「ホントに廃屋?」って感じの場所で正直、教えてくれた友達には悪いがとても興味をそそられる様な物ではなかった。
でもせっかくここまで来たんだから、結局探検する事になったんだよね。
まずは一階からということで勝手口から侵入、中を見渡すとおかしなものが沢山ある。
245: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 01:26:03 ID:AorKY0kW0
ビーカー、シャーレ、顕微鏡、どれも理科室で見たようなものばかりでとてもじゃないが普通の家とは思えない。
でも何故かそれ以上に興味を引かれたのは沢山の棚に収められた本の数々だったんだ。家は広く、壁一面に本棚があって
そこにはびっちり本や書類が詰まっていて、床にも書類が散らばってて先客がいた事を思わせた。
その事を話すと、犯人はこの廃屋を教えてくれた友達だったんだ。そこで友達が腕組みしながら、今日はなんで「とんでもない廃屋」なんて言ったと思う?
と聞いてくるので正直分からないと答えると指を本棚へ向け、その本を開いてみろと言う。
251: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 05:17:57 ID:OlOMr+uv0
>>245
続き待ってるから書いてね!
255: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:14:49 ID:SHSKxkAB0
>>245つづきです。
言われたとおり本を手にとり開いてみた瞬間、そこにいた全員が「っ!?」と声にならない声を上げた。
本の中身は、皮を剥がれた男の死体の写真。
そこにいた全員が息を呑む、本を開けと言った友達さえも。
だが次の瞬間にはある考えがうかんだんだ。
「この家ってお医者さんの家じゃない?」そう俺が言うとみんなまだ完全には立ち直れていないものの、
なるほどねと納得していたようで友達が写真を眺めている間、俺はほかの部屋を探索することにした。
キッチン、リビング、風呂、トイレ、見て回って分かったことが一つ、
この家に住んでいた人はとても知的で素敵な人だろうと言う事。
256: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:17:44 ID:SHSKxkAB0
この状況で、なぜそんな事が言えるのかといえば家のセンス、その一言に尽きると思う。
外見は普通だったが内装、家具が違う、子供の自分に何が分かると思われるかもしれないけれどその短い人生しか歩んできていない
子供でさえも理解できるほどすべてが美しかった。そうなるとさっきの写真も意味が違う、部屋いっぱいの本、ファイル、実験器具、
きっと必死に医学を学び人を救う事に尽力していた、そう思わせるものっだったと思う。友達は何の根拠もなく「頭のおかしい医者が住んでいたんだ!」
などと周りの友達に演説していたがそんなことはこの家全体を見ていってほしい、素直にそう思っていた。
257: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:23:05 ID:SHSKxkAB0
後から考えれば「家全体をみていってほしい」という思いはこの時友達ではなく自分に向けるべきだったと思う。
友達も写真やファイルを見ることに飽きてきたらしく、そろそろ暗くなるし早めに探索を終わらせて明日また来ようという事に。
だが、みんなと探索をしているとおかしな事に気づいた、一人の探索では家具や内装などのデザインばかりに気をとられ意識していなかったが
普通は在りえない違和感、
二階への階段が無い。
258: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:28:15 ID:SHSKxkAB0
小さな脳みそを働かせ出た結論、外側を見て回った。きっと外から上がるタイプだ。
・・・・・・無い、外にも内にも。
いっとき家の中を探すと二階への通路自体は見つかったんだけれど、それが余計に不安と好奇心を煽ってしまう結果になる。
二階への階段は取り外され、階段が本来通るはずの場所は鉄板で塞がれていた。
それが分かった瞬間、門限という言葉は俺達の頭から消えていたと思う。
260: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:33:02 ID:SHSKxkAB0
とにかく二階が見たい!そう思い始めたら妄想が止まらなくなってしまって、
「絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!」
「やっぱ頭のおかしい医者がやばい研究してたんだって!」
みんな口々に自分の妄想を吐き出し始めて、最終的には自分たちで作っていた縄梯子で
二階に上ろうという事になった。外側から上がるためまずは家の周りを偵察、登りやすそうなパイプを見つけた。
一番は木登りが得意な俺が雨樋のパイプを伝い、上へ。
261: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 08:38:34 ID:SHSKxkAB0
思っていたよりずっと簡単に登れたんだけれど気になることがあった、二階の窓から中が一切見えなかったんだ。
窓を良く見ると新聞や雑誌がマジックで黒塗りにして何重にも貼り付けてあり、
一筋の光さえ通したくない
そんな意思を感じさせる気がして、みんなが登って来れる様、梯子を架けてあげたが、
全員が登りきるまでの間どうしてもその事が気にかかっていた。
屋根に登り切りいよいよ二階の部屋に乗り込むことになったが、窓の事を話すとみんな不安になったらしく多数決を取ることに。
272: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:18:29 ID:SHSKxkAB0
「中に入ってみたい奴」「このまま帰りたい奴」結果、好奇心が勝る。
俺が先頭に立ち窓に手をかけると、あぁ、開いた。正直言うと嬉しさ半分、後悔半分、もう往くしかない。
覚悟を決めて窓を開けると満面の笑みで微笑む水着の女がいた、ポスターの。
「心臓が止まった・・・」溜息をつく俺を見て爆笑する友達、大笑いするみんなに腹は立ったがそれ以上に気持ちが軽くなっていて怒る気はしない。
・・・・・ただ気になったことが一つ、何でポスターの口にルージュが引いてあるんだ?
273: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:21:13 ID:SHSKxkAB0
疑問はあったがそのまま窓を跨ぎ二階へ足を踏み入れた、廊下は暗く湿っている。
当たり前だ、入ってあらためて見渡すと日の光が射せそうな場所が一切無い。
隙間はすべて黒塗りの新聞や雑誌で覆われていてどんな晴天でもこの部屋に光を入れることはできない。
さっきまではこの家に住んでいた人間は、知的でセンスのあるそんな人だと思っていた。
だが今となっては友達の言葉が頭の中でこだまのように響く。
「頭のおかしい医者が住んでいたんだ!」
「絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!」
276: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:24:22 ID:SHSKxkAB0
帰りたい、今すぐに。それなのに好奇心が俺達の足を進め進めと突っついてくる。
ゆっくりゆっくり前へ進むと一歩足を進める度に、この部屋の住人の異常性が伝わってきた。
廊下の奥に進むほど壁の黒塗り度合いは減っていき、反比例するように異常性が上がってゆく。
入り口付近の壁には黒塗りの壁に水着の女や海外のポルノグラビア、まだこれなら良い。
だが奥の壁にはグラビアから顔だけ抉り、代わりに一階にあった死体の写真から切り取ったであろう顔を貼り付けてある。
ポジティブな考えは全て消え失せた。
277: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:26:53 ID:SHSKxkAB0
こんな事をしたのがこの家の主だろうが廃屋に移り住んだホームレスだろうがどうでもいい、
みんなこの光景に言葉を失ってはいるが目を見ればわかる、満場一致で「今すぐ出よう」だ。
きびすを返し元の窓に戻ろうとしたとき、友達が言った。
「・・・・・・人がいる」その場で全員が、友達が指差す方を見る。
廊下から部屋に続くすりガラスの向こう側、そこに懐中電灯を全員が一斉に当てた。
女がいる、下着姿の、それも一人ではなく、大勢。
全員声も出さず、呼吸もぜず、ただ固まったままライトを当てている。
どれだけ時間がたっただろう、誰かが言った。
279: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:41:59 ID:SHSKxkAB0
「・・・・マネキン?」俺も口を開く、「・・・・かな・・・たぶん」
ゆっくりすりガラスをあけると「彼女たち」は確かにいた。
「・・・・・・マネキンかよぉ・・・・・勘弁してくれよ!」
部屋の中を見渡すとマネキンが林のように並んでいる、広いへやに二十体ほど。
「気色わりぃ・・・」
みんな口々に同じような事を言っている、でも気色悪いのはマネキンの存在でも
その多すぎる数でもなく、マネキンのその姿だ。下着は下着でも機能的なものじゃない、小学生の俺達も知っている、
公園で拾う本の後ろ側に載っている、男を誘うためにあるような・・・そんな下着。
282: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 11:55:11 ID:SHSKxkAB0
この家に住んでいた者の中身を垣間見た気がしてゾッとしていると、
「住んでた奴は絶対お前みたいな変態だな!」そう言って俺の顔を友達が指差す。
みんながその言葉で大笑いし、すこしだけ緊張がほぐれた。
「もう少しだけ見たら帰ろう」一人がそう言うと皆が頷いた。
部屋に入るとマネキン以外にもいくつかの物があった。壊れたテレビ、玩具、オーディオ、よくわからないガラクタ、そして本の山。
俺は本の山から一冊を取り出し開いてみると、「・・・やっぱりこれもかぁ」思わず声が出た。理由はここまで読んでくれた人ならわかると思う。
283: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:03:59 ID:SHSKxkAB0
「これも顔や体がすりかえられてる・・・・」そう言いながら友達の方へ顔を向けると
友達が何かをいじっている、よく見ると車のバッテリーだった。
「感電するから止めとけって!」俺がそう注意すると一瞬動揺しつつ、
「大丈夫!」と何の根拠も無さそうな返事で活動再開。
溜息混じりに何となくほかの本を手に取ったとき、
俺の心臓は凍りついた
285: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:16:57 ID:SHSKxkAB0
ブツン!
ブラウン管のテレビが点くときになるあの独特の音。その目の前で、
「点いた!俺って天才!」と無邪気に喜ぶ友達。
周りの友達の顔が凍りつき、当たり前の疑問をなげかける。
「何でテレビが点くんだよ・・・・」
でも俺の心臓が凍りついた理由はテレビじゃない。俺は渇ききった口を開いた。
「この雑誌、今月号だ・・・・・」
俺の言葉でテレビの前ではしゃいでいた友達も状況がわかったらしく顔が凍りついた。
ギシッ・・・・・
微かに音がする。
286: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:23:58 ID:SHSKxkAB0
壊れかけ、灰色の映像で映しだされる歪んだ顔のニュースキャスター、
ノイズ交じりの声が響き渡り懐中電灯とテレビの光で照らされた部屋の奥
マネキンの林の中に、
確かにそれはいた。
人以外にはできない最高の喜びの表現、笑顔。
それが人だとわかり、その場にいた全員の喉の奥から悲鳴が上がったときには
そいつはマネキンを掻き分け向かってきた。他の者には目もくれず、一直線に、俺の方へ。
その場にいた全員が声を張り上げ我先に逃げてゆく。俺はと言うと、対峙していた、真正面から。
291: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:32:37 ID:SHSKxkAB0
俺の前にいるのは人間だ、間違いなく、人間の男だ。頭で必死に理解しようとする。
幽霊じゃだめだけと、人間なら話し合えるかもしれない。
・・・・・・・・わかってる、わかってるんだ、逃げるべきだって事は。
早く逃げろよと今ならそう思えるけれど、あの時は恐怖でどうかしてたんだ・・・。
「・・・・・・・・・・こんにちは」と俺。
「可愛いねぇぇぇぇ」
・・・・・・・褒めてくれた?
「君は好き?こういうやつ好き?」男が手に持った分厚い本を開いて見せてくる。
下の階にあった人体標本がのった本だった・・・
292: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:40:34 ID:SHSKxkAB0
死体の写真の顔が外人の女に差し替えられていた。
「こういうのはあまり好きじゃない・・・・」
「好き?ねえ好き?どういうのが好き?いrw里いvmrvbmんr9ぢc炉vmvおvりc、
ぐぃうghbのtgんろgbんをんbを意を得rggrkwvm9wmv95pgとpgkm地fm儀gtgんgjtbmrtkbmrwbm4尾5印brウィ音日btmkgんびgんれおbmkんbvkfんぼrぎおtんrbr3gtvm9v9v9v、jcj4j、@」
駄目だ、人の言葉さえ喋ってくれなくなった。俺もう終わりかも・・・・・
「おいっ!」
横を見ると友達二人が泣きながら俺を呼んでいて、
次の瞬間には跳ねるように友達の方へ走ってる自分がいたんだ。
293: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:48:33 ID:SHSKxkAB0
足がもげるんじゃないかと思うくらい全力で廊下を駆け抜けたよ。
一切後ろを振り返らず窓から転げるように飛び出るとほかの友達がビール瓶やトンカチ、
自分たちが持ち寄った武器を手にとって、まっててくれた。全員揃った所で屋根から飛び降り始めると、
その時うしろから
「好き?」
その言葉を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立って思わず振り向いたんだ。
窓から覗く男の顔には人体標本のページを切り抜いて作ったであろうお面が張り付いていた。
あとはもう屋根から下も見ず飛び降りたよ。
294: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 12:51:39 ID:SHSKxkAB0
友達の家へ駆け込んで今日の出来事を話したら、友達の母親が警察に連絡してくれたよ。
だだ、警察が覗きに行った時には誰もいなかったらしく、家である程度話を聞いてもらって
後日警察でも同じような感じで話をしたんだ。
でもその後が問題で、中にいた男が見つかる事はなく、3ヶ月位たって友達からあの家が取り壊されて空き地になってると聞いた。
一度勇気を出して行ってみたんだけれど、本当になにも無くなってたよ。
いまでも「廃屋」って言葉を聴くだけで震えが来る、これで話はお仕舞い。
298: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 13:28:46 ID:qzgSwbkT0
これは酷い
一言でいえば
不法侵入したガキの武勇伝()
読む価値無し
302: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 13:51:08 ID:SHSKxkAB0
>>298
不法侵入は否定しませんが、あのおじさんの家でもなかった様で。
聞いた所、予想は当たってたみたいで元々は家の近所の病院に勤める先生の物だったそうです。
先生が体を壊され親族の所に移った後、誰も住まなくなった家をあのおじさんが好き放題にやっていたらしいです。
元々その事で過去に逮捕歴があったらしく、捕まったはいいが不法侵入では長い刑は言い渡されなかったらしい。
そのあと家に戻ってきたらしく、「俺をはめたのは誰だ!」と近所の人に食って掛かってきたらしいんですが、
時間が経つにつれて言動、行動が幼児化?してしまい危害を加えることもないので見てみぬふりをされていたらしいです。
305: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 14:39:43 ID:wsh4dTGtO
>>302
家族が監禁したのかと思ったが、じゃあ誰が工事したの?
>二階への階段は取り外され、階段が本来通るはずの場所は鉄板で塞がれていた。
306: 本当にあった怖い名無し 2013/10/14 15:01:03 ID:SHSKxkAB0
>>305
自分の説明が足りなかったようで。
家の持ち主とそのおじさんは一切関係ありません。
誰もいなくなり廃墟になったあの家におじさんが勝手に住み着きそれが原因で過去に逮捕されたようです。
階段の件ですが、おじさんが勝手に廃墟(というか先生の実家)を荒らし好き放題に改造していたらしいです。
あのおじさんは太陽が嫌いらしく明るい内は出てこないそう。ちなみにおじさんの本当の家(俺の同級生の家)はすぐ近所にあるらしく
何度か厄介払いの為に遠く(病院?親戚?)へ連れて行かれたらしいんです。でもどんなに精神的におかしくなっても
なぜか遠くから戻って(逃げて)くるそうです。
582 文鳥ちゃん sage 04/03/08 00:38
ある男が一人で山に登っていた。 するとどうしたことか、途中で靴紐がプツッリと切れてしまった。
今までこのようなことはなかったのでおかしいと思いながらも 修繕してから歩き出すと、今度は反対側の靴紐が切れてしまった。
やれやれ、またか。と思って 近くの木によりかかって直していたら
いきなり後ろから強い力で両肩をつかまれたかとおもうと
「ギャッ!」と叫び声がして、つかんだ相手がとびすさる気配がした。
おそろしくて男がそのまま固まっていると またもや後方から、しわがれた声で何者達かが会話が聞こえてきた。
「どうした」 「しくじった。」
「二回までも鼻緒を切ってやったというのに。」 「相手が悪い。ソンショウダラニを持っている。」
「それは残念。」
そこまで言うと、背後の気配はサッと消え
後に残るは呆然とした男のみ。
642 あなたのうしろに名無しさんが・・・ sage 04/03/11 02:46
>>596
面白く読ませてもらいました。
「ソンショウダラニ」は尊勝陀羅尼(仏頂尊勝陀羅尼経)ですかね。
中世説話集『今昔物語集』に藤原常行が百鬼夜行に遭遇し襲われるが、
彼の乳母がこっそり着物に縫い付けておいた尊勝陀羅尼のおかげで助かる話があります。
また歴史物語の代表作である『大鏡』にも常行の甥である藤原師輔が、
同じく尊勝陀羅尼の霊験で百鬼夜行から助かる話が収められています。
当時の厄除けお守りみたいな感じでしょうかね。
915 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/07/03(火) 03:29:24.01 ID:v4tGVC0f0
私の祖父は泳ぎが上手い。よく一緒に山の川で遊んだ。
いつものように対岸まで泳いで、元の岸へ戻ろうとした時のこと。 上流から何か泥の塊のようなものが流れてきた。
それはあっという間に祖父を取り囲むと、泳いでいた祖父の頭が「とぷん」と消えた。 私がハラハラしていると、すぐに祖父が顔を出したのでホッとした。
岸に上がると祖父はやけに疲れた顔をし、口数も少なかった。 祖父の横腹には手の痕のような痣ができていた。
次の日、外で遊んでいると、田んぼの隅に妙なものを見つけた。 泥まみれのビニールのようなものがグチャグチャになって潰れていた。
気になって祖父に「あれは何?」と尋ねると、 「河童も人間様に負ければ、ああなるということだ」 と言っただけで、あとは何も教えてくれなかった。
そう言えば母に「川で遊んで水を濁すと、河童が怒って襲ってくる」と聞いたことがある。
もしかすると、祖父はあの時水の中で、河童と戦って打ち負かしていたのだろうか??。
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