規格変更、単価上昇が奏効

菓子大手メーカーの平成２８年度決算概況が出揃った。上場企業の多くは増収増益を確保し、特に利益額の大幅な上乗せを達成している。ここ数年の規格変更や単価アップ政策の成功を裏付けるものだ。菓子市場は４年連続でプラス傾向を継続しており、大手各社の好業績が下支えしている面が大きい。各社の概況を次に見てみる。

明治の菓子事業は売上高１千６０２億円（前年比０・１％減、計画比０・７％増）と前年並みを維持した上で、営業利益１８４億円（前年比４４・４％増、計画比１２・２％増）と大幅増益を果たした。明治のチョコレート売上高は１千２６億円（前年比７・４％増、計画比１・７％増）とついに１千億円の大台超えを果たした。ハイカカオ系の健康機能訴求に成功した影響が大きく業績に現われた。

江崎グリコの連結業績は売上高３千３８４億３千７百万円（前年比６・０％増）、営業利益１７１億１千万円（５・１％増）、経常利益１９２億２千９百万円（５・７％増）、当期純利益１３９億３百万円（４・１％増）と増収増益だった。うち菓子は売上高１千２１２億円（６・５％増）、営業利益１７１億円（２０・４％増）と好調を維持。カテゴリー別にはポッキー含むチョコが３９５億円（９・４％増）、プリッツ含むビスケットが２７３億円（１０・０％増）、ガム・キャラメル・キャンデー４５億円（６・３％減）、その他４９８億円（３・７％増）となり、チョコとビスケットが牽引した。

森永製菓は連結売上高１千９９４億７千９百万円（９・７％増）、営業利益１７６億１千２百万円（５３・７％増）、経常利益１８３億２千５百万円（５１・９％増）、当期純利益１１１億１千５百万円（３７・４％増）と大幅な増収増益を達成した。今年度は売上高２千５０億円、営業利益１８０億円、経常利益１８５億円、当期利益１２６億円を目標とする。

菓子食品は売上高１千２３４億３千７百万円（７・２％増）と伸長。「森永ビスケット」（３％減）、「チョコボール」（３％減）、「ミルクキャラメル」（２％減）は前年割れだが、「おっとっと」（１１％増）や「ダース」（１％増）、「カレ・ド・ショコラ」（３１％増）が成長した。

ブルボンは連結売上高１千１２９億１千８百万円（３・１％増）、営業利益４８億９百万円（１０・１％増）、経常利益４６億６千６百万円（１２・４％増）、当期純利益３６億５千２百万円（４０・１％増）と増収増益。菓子売上高は１千６７億６千３百万円（２・６％増）。デザートが伸び悩んだが、ビスケット、チョコ、キャンデー、米菓がいずれも前年を上回った。今年度は売上高１千１７０億円、営業利益４９億円、経常利益５０億円、当期純利益３４億円を目指す。

不二家の平成２８年１２月期は連結売上高１千４４億円（０・４％増）、営業利益２５億１千４百万円（６９・９％増）、経常利益２６億７千７百万円（７５・８％増）、当期純利益１２億９千５百万円（７８４・４％増）と伸長（うち菓子は売上高６１３億５千６百万円、１・９％増）した。

今年第１四半期（１～３月）は連結売上高が前年同期比０・７％減、営業利益３１・１％減、経常利益２０・６％減、当期純利益０・６％減と厳しいスタートだが、菓子に関しては売上高が０・１％増と前年をクリアしている。

非上場のロッテ商事の菓子売上高は前年比１０４～１０５％で着地した模様。ガム・キャンデーは２～３％程度の減少と苦戦したが、チョコとビスケットが２ケタ近い伸びを示し、「乳酸菌ショコラ」も目標値を達成した。

カルビーは既報の通りだが、ポテトチップスの減少をじゃがりこ、シリアルなどでカバーし国内事業が３・１％増となった。ただ海外事業は現地通貨ベースでは増収も為替影響で１・２％減となり、連結売上高は２千５２４億２千万円（２・６％増）。増収増益ペースを保ちつつ北米・韓国の立て直しが課題となっている。

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